幅を揃える

着物の水洗いと言えば、 ″洗い張り“ と言う加工をまず、思い浮かべます。

着物が、全体に汚れているとか、シミが多すぎとか、自分の体に合わなくなってきたり、他人に譲ったり、染め直しをしたり、等々。着物全体をやり直す時に必要とする加工です。一度、着物を解いて反物の状態に戻し、洗剤を付けて、ブラシでこすり全体を水洗いをすることを言います。

丸洗いと区別すると、仕立て上がりのままの状態で洗う事を、丸洗いと言います。

洗い張りは、反物の状態に戻して洗いますので、後に、仕立て直しが必要になります。その仕立て直しの時に、裄(ゆき:肩と袖の長さ)とか、丈(たけ:身長)とか、体に合わせて仕立て直します。洗い張りは、水につけますので、少し縮みますので、ゆのし機械にて幅を揃えて後の加工を行いやすくします。

画像は、しわ伸ばしの途中の写真ですが、左側から、反物を送り右側に向かって出来上がりとなります。蒸気で伸ばしながら幅を揃え、丸い筒状の物でアイロンの代わりを行い、冷やしながら先へ送り、蛇腹織(じゃばらおり)で仕上げとなります。しわ伸ばしの工程ですので、しみ抜きなどは、別加工となります。

今現在は、機械で幅出し(幅をそろえる事)もできますが、昔は、伸子針と言う先に針が付いている庇護(ひご)を使ってやっていたようです。

この、機械を使って一番良かったと思う事は、総絞りの反物を伸ばす時です。これは、絞りのゆのしは、大変です。

同業者で経験者した者しかわからない充実したものが、終わった後ににじみ出るものだと思います。

”機械でよかった。これを 手のし などでやったら大変だっただろうに。”

なんて感想が出るんです。そうですよね、一部の経験者の皆様! !(^^)!  頑張っていきましょう。